年収1000万円超のエリートが待ち受ける「老後の罠」とは?

年収1000万円というと会社に勤務をする場合、一つのステータスであり、
目標にもなり、またそれを達成することで得られる金銭的かつ心の余裕は、
豊かな人生を送るうえで、無視できないものでしょう。

 

私もサラリーマン時代に年収1000万円を達成したのですが、
源泉徴収票の金額を見たとき、心の余裕を感じた感覚は忘れもしません。

 

(と、同時に別に今までと変らないよねとも感じたのですが)

 

ところが、この年収1000万円の余裕が仇となって、
陥りがちな人生の罠があることをご存知でしょうか?

 

他人事ではなく決して珍しい話ではない1000万円の罠です。

 

過去に大手企業で50歳の社員さんにライフプランニングをさせて頂いていました。

 

花形・部長職の方の年収は1000万円を超えています。
かたや出世とはあまり縁なく過ごす、一般職の年収は400万円程です。

 

部長職の方には共働きの方も多くおられ、世帯年収で2000万円近くに
及ぶことも決して珍しくはありません。

 

この1000万円を超える方と400万円の方とどちらが
定年退職60歳以降の暮らしが安全安心だと思いますか?

 

迷わず「そりゃあ1000万円にきまっている!」という答えが返ってきそうですね。
私も当然そうだと思っていました。

 

ところが、実際にライフプランニングをさせて頂くと、
まったく真逆の結果が出てきます。

 

年収400万円の方のほうが、圧倒的に老後が安泰なのです。
「え?」と思われるかもしれませんが、400万円の方のほうが安泰なのです。

 

なぜそのような事になるのか?ですが、
簡単に言うと、高所得の家計は高支出でもあることが多いからです。

 

年収1000万円を達成して金銭的にも心にも余裕がある
(と思われている)方は、子どもの教育にも熱心な事が
多く、車も数百万円の車を数年ごとに買い換えます。
夏休みの旅行もそれなりに豪華です。

 

部長職などの肩書があるとアフターファイブの部下の飲み会は
ポケットマネーのお財布も緩みがちです。

 

共働きであれば、仕事の忙しさから、食事は外食に頼りがち、
忙しさをお金で解決します。結果、年収は多いものの、
年間支出もそれなりに多くなります。
決して将来への貯蓄が十分できているかというと、かならずしも
そうではありません。

 

ライフプランニングを精査していくと、「使途不明金」が多いことに
気づくのも年収1000万円以上世帯の特徴の一つです。

 

一方で年収400万円の方の場合は、支出が抑制されています。
ぜいたく品と思われるものの購入は最低限に、食事は家で必ず取るし、
車も永年カローラ(イメージです)を愛用します。 

数年に一回、海外旅行などは楽しみますが、準備として積立を怠りません。
気分で旅行をしないのです。

そのような習慣をおもちですから、社内積立などを活用して、
こつこつ貯蓄もしています。支出が抑制されたうえで、
貯蓄ができているケースが多いのです。

年収1000万円超、年収400万円の方も定年まではどちらも
大きな問題なく、
幸せに過ごします。

お金でとことん困るということは基本的にありません。
「給与」が安定しているからです。

 

問題は退職後です。

 

年収1000万円の人がもらえる年金が400万円の人と比べて給与の差と
同じように2.5倍あるかというと、それほどの大きな差はありません。

 

社会保障はあくまでセーフティーネットであって、「贅沢」には対応できないのです。

 

にもかかわらず、年収1000万円超の方は、
お金を使うことに慣れてしまっています。

 

お金で解決することに慣れてしまうと、
その習慣を老後に直せるかというとそう簡単ではありません。

 

変わらず車も欲しくなるし、お付き合いで外食もしたくなるし、
旅行もしたくなります。

 

「どんぶり勘定」での解決は、現役時代のように高所得
であれば通用するのですが、年金だけでどんぶり勘定を続けると、
75歳を過ぎたころに途端に「あれこんなはずでは?」
となるケースが案外多いのです。

 

お金で解決したり、外食や海外旅行を楽しむのは
何も悪いことではありません。楽しみの一つでしょう。

とはいえ、その習慣が身にしみついたまま
退職・老後に突入するとどうなるかは事前に
把握しておくことが大切です。

 

準備をすることで資金不足は高い確率で回避できます。
何せ年収1000万円あるわけですから。

この資金が足りるのか足りないのかを検証することを
ライフプランニングと呼びます。

必ず新たな気づきや発見があるのがライフプランニングの特徴です。
ご自身でもできなくはありませんので、一度取り組んでみてくださいね。